安渓鉄観音極品2010年の春茶(清香系)が入荷いたしました。
産地は、福建省安渓の祥華。2009年秋茶と同じ産地です。
鉄観音は、正直言って、出来の良し悪しの激しい茶葉です。
そのため、毎シーズン、いくつも試飲して、入荷のロットを決めています。
今年は、明前茶が不作だったので(新芽が霜でやられたり凍ったりしてしまった)
南の鉄観音もなんとはなしに心配ではあったのですが、予想外に出来が安定していて、ほっとしました。
ここ数年、中国国内のトレンドがあまりに火入れの軽い茶葉を好む傾向にあり、昨年あたりまでは、けっこうな価格の茶葉でも、ちょっと生臭さが先行で、日本人の味覚としては、正直あまり美味しいとは感じられないような茶葉も少なくありません。
ところが、今年の春のロットは、やや「清香系」鉄観音の王道に回帰してきた感じがあります。
もともとの鉄観音(濃香)は福建のお茶ですが、火入れの軽い清香系は、台湾高山茶の製茶法を逆輸入する形で、大陸にも人気が広がりました。
それがどんどん進化(?)して、まるで緑茶のような鉄観音になったのですが、今年の仕入れはそのぶれもやや戻り、テイストとしての回甘が優先しつつある感じの茶葉を選ぶことができました。
もちろん、台湾烏龍茶と鉄観音は別もので、台湾高山茶のほうが、繊細で丸っこく、舌での甘みも強く感じられます。
そのため、一般に日本人の好みは台湾茶のほうだと思います。
ただ、鉄観音のある種の荒っぽさのようなものは捨てがたく、同じ茶葉を同じ人間が飲んでも、その日その時の体調や集中力、あるいは天気などにより、その瞬間ごとに違った表情を垣間見せてくれるので、そこにわたしは惹かれつづけています。
小林
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