中国茶の入れ方

中国茶には、とくに決まった入れ方や飲み方はないのですが、でも、美味しく飲むためのコツはあります!このコツを、中国茶の種類ごとにご紹介したいと思います。

ポイントは、使う茶器と茶葉の量、それから、お湯の温度です! 中国茶の種類によって、おすすめのお湯の温度が少し変わりますので、注意してください。
実は、このお湯の温度は、茶葉の発酵程度と関係しています。(ご参照: 中国茶の種類

蓋碗や紫砂壺、茶海などの中国茶器が揃っているのが理想的ですが、ご自宅にある茶器や急須でも、工夫しておいしく淹れられます。できれば、なるべく小さい茶器(200ccくらい)があるといいです。
中国茶は、少量の熱湯で淹れて飲むのが一般的で、煎数を重ねて、味や香りの変化を楽しみます。

では、それぞれの茶葉について、飲み方の目安をご説明いたします。

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鉄観音(烏龍茶)の入れ方

鉄観音

  1. 茶器(小さめの200ccくらいのポット、紫砂壺、又は蓋碗)と鉄観音を用意します。
  2. 茶器に沸騰したお湯を入れ、茶器を温めます。茶器を温めますと茶葉が開きやすくなります。茶器が温まったらお湯を捨てます。
  3. 温まった茶器の中に鉄観音を3g程度入れます。
  4. 温まった茶器で鉄観音の香りが出ますので、まず香りを確かめます。
  5. 沸騰した熱湯を注ぎます。必ず沸騰させたお湯をご使用ください。洗茶をしていただいても構いません。
  6. お湯を注いでから1分程度待ってから、お召し上がりください。聞香杯を使用して香りを楽しんでいただくこともできます。
  7. 2煎目以降は、茶葉が既に開いておりますので温度の低めのお湯(90℃くらい)で淹れても美味しくいただけます。5-6煎お楽しみいただけます。
  • 茶葉の量の目安は、150-200ccの茶器…3g、500ccの茶器…5g、700cc以上の茶器…7gです。
  • 鉄観音は、茶葉が固く丸められているので、一煎目の洗茶で茶葉をほぐし、茶葉を半開きにすることをおすすめいたします。

武夷岩茶(烏龍茶)の入れ方

武夷岩茶

  1. 茶器(小さめのポット又は蓋碗)と武夷岩茶を用意します。
  2. 茶器に沸騰したお湯を入れ、茶器を温めます。茶器を温めますと茶葉が開きやすくなります。茶器が温まったらお湯を捨てます。
  3. 温まった茶器の中に武夷岩茶を3g程度入れます。
  4. 温まった茶器で武夷岩茶の香りが出ますので、まず香りを確かめます。
  5. 沸騰した熱湯を注ぎます。必ず沸騰させたお湯をご使用ください。さっと洗茶をしていただいても構いません。
  6. お湯を注いでから1分程度待ってから、お召しあがりください。5-6煎お楽しみいただけます。
  • 茶葉の量の目安は、150-200ccの茶器…2-3g、500ccの茶器…5g、700cc以上の茶器…7gです。
  • 茶葉が大きいので、蓋碗で一煎目の表面の小泡を掬い捨てる飲み方がおすすめです。

鳳凰単叢(烏龍茶)の入れ方

鳳凰単叢

  1. 茶器(小さめのポット又は蓋碗)と鳳凰単叢を用意します。
  2. 茶器に沸騰したお湯を入れ、茶器を温めます。茶器を温めますと茶葉が開きやすくなります。茶器が温まったらお湯を捨てます。
  3. 温まった茶器の中に鳳凰単叢を2-3g程度入れます。かなり嵩張りますので、入りきらない場合は茶葉を折って入れていただいても構いません。
  4. 温まった茶器で鳳凰単叢の香りが出ますので、まず香りを確かめます。
  5. 沸騰した熱湯を注ぎます。必ず沸騰させたお湯をご使用ください。さっと洗茶をしていただいても構いません。
  6. お湯を注いでから30秒-1分程度待ってから、お召しあがりください。3-4煎お楽しみいただけます。
  • 茶葉の量の目安は、150-200ccの茶器…2-3g、500ccの茶器…5g、700cc以上の茶器…7gです。
  • 茶葉が大きいので、蓋碗で一煎目の表面の小泡を掬い捨てる飲み方がおすすめです。

中国緑茶(龍井茶・黄山毛峰など)の入れ方

中国緑茶

  1. 茶器(急須やガラスポット、耐熱グラス)と中国緑茶を用意します。
  2. 茶器にお湯を入れ、茶器を温めます。茶器を温めますと茶葉が開きやすくなります。茶器が温まったらお湯を捨てます。
  3. 温まった茶器の中に茶葉を2-3g程度入れます。
  4. 温まった茶器で茶葉の香りが出ますので、まず香りを確かめます。
  5. 90℃くらいの熱湯を注ぎます。沸騰させてから少し冷ましたお湯がおすすめです。
  6. お湯を注いでから3分程度待って、茶葉が開いてからお召しあがりください。
  7. 2煎目以降は、茶葉が既に開いておりますので温度の低めのお湯(70℃-80℃くらい)で淹れると渋味が出にくく美味しくいただけます。
  8. 茶葉が舞う様子を鑑賞しながらお召しあがりください。3-4煎お楽しみいただけます。
  • 茶葉の中に小さな毛玉が混ざっていることがありますが、新芽特有の毛がまとまったものです。茶水表面にも毛が浮きます。新茶の証拠ですので安心してお飲みください。
  • 太平猴魁は茶葉が大きいので、ガラス蓋碗がおすすめです。

白茶の入れ方

白茶

  1. 茶器(急須やガラスポット、耐熱グラス)と白茶を用意します。
  2. 茶器にお湯を入れ、茶器を温めます。茶器を温めますと茶葉が開きやすくなります。茶器が温まったらお湯を捨てます。
  3. 温まった茶器の中に白茶を2-3g程度入れます。
  4. 沸騰させた熱湯を注ぎます。白茶は抽出に時間がかかるので沸騰したお湯をご使用ください。
  5. お湯を注いでから3分程度待って、茶葉が開いてからお召しあがりください。
  6. 茶葉が舞う様子を鑑賞しながらお召しあがりください。3-4煎お楽しみいただけます。
  • 白茶の甘い味わいを引き立てるには、低めの温度(80-90℃)で入れて、長く抽出するのがおすすめです。
  • はじめ茶葉が軽くて浮きやすいのですが、時間とともに水を吸い、浸入する傾向にあります。

中国紅茶の入れ方

中国紅茶

  1. 茶器(急須やポット)と中国紅茶を用意します。
  2. 茶器にお湯を入れ、茶器を温めます。茶器を温めますと茶葉が開きやすくなります。茶器が温まったらお湯を捨てます。
  3. 温まった茶器の中に紅茶を3g程度入れます。
  4. 沸騰させた熱湯を注ぎます。香りとよい色を出すために沸騰したお湯をご使用ください。
  5. お湯を注いでから2-3分程度待って、茶葉が開いてからお召しあがりください。3-4煎お楽しみいただけます。
  • 新芽特有の毛が茶水に浮くこともありますが、良い茶葉の証拠ですので安心してお飲みください。
  • 茶葉の量にもよりますが、抽出時間は30秒-1分と短めでも、透明感がありながらも、繊細で豊かな味わいを楽しむことができます。

普洱茶(プーアール茶・熟茶)の入れ方

普洱茶(熟茶)

  1. 茶器(小さめの200ccくらいのポット、紫砂壺)とプーアール茶を用意します。
  2. 茶器に沸騰したお湯を入れ、茶器を温めます。茶器を温めますと茶葉が開きやすくなります。茶器が温まったらお湯を捨てます。
  3. 温まった茶器の中にプーアール茶を3g程度入れます。
  4. 沸騰した熱湯を注ぎます。必ず沸騰させたお湯をご使用ください。
  5. すぐにお湯を捨てます(洗茶)。洗茶をしますと雑味がとれ、美味しくなります。
  6. 再度、茶器に熱湯を注ぎます。
  7. お湯を注いでから30秒ほど待って、お召しあがりください。
  8. 2煎目以降も熱湯で淹れてください。5-6煎お楽しみいただけます。
  • 円盤形のプーアール茶は、先ず茶葉をくずして散茶状にして、上記の手順で入れます。
  • プーアール茶は抽出時間が長いと濃くなってしまいますのでご注意ください。

プーアール茶(小沱茶)の入れ方

プーアール茶(小沱茶)

  1. 茶器(300-400ccくらいのポット、紫砂壺)と沱茶1粒を用意します。
  2. 茶器に沸騰したお湯を入れ、茶器を温めます。茶器を温めますと茶葉が開きやすくなります。茶器が温まったらお湯を捨てます。
  3. 温まった茶器の中に小沱茶を1個入れます。
  4. 沸騰した熱湯を注ぎます。必ず沸騰させたお湯をご使用ください。
  5. すぐにお湯を捨てます(洗茶)。洗茶をしますと雑味がとれ、美味しくなります。
  6. 再度、茶器に熱湯を注ぎます。
  7. お湯を注いでから30秒ほど待って、お召しあがりください。
  8. 2煎目以降も熱湯で淹れてください。5-6煎お楽しみいただけます。
  • 沱茶1粒が大きい場合は容量の大きいポットをご利用ください。
  • プーアール茶は抽出時間が長いと濃くなってしまいますのでご注意ください。

ジャスミン茶の入れ方

ジャスミン茶

  1. 茶器(ポット又は蓋碗)とジャスミン茶を用意します。
  2. 茶器に沸騰したお湯を入れ、茶器を温めます。茶器を温めますと茶葉が開きやすくなります。茶器が温まったらお湯を捨てます。
  3. 温まった茶器の中にジャスミン茶を3-5g程度入れます。
  4. 香りを立てたい場合は90℃以上の熱湯で入れて、茶葉の甘みを味わいたい場合には、80℃-90℃のお湯を注ぎます。
  5. 茶葉が開きましたら、お召しあがりいただけます。3-4煎お楽しみいただけます。
  • 香り重視か、味重視かで、入れる温度を調整してください。
  • 花咲くジャスミン茶については、工芸茶の飲み方 をご参照ください。

花茶(薔薇花茶・菊花茶など)の入れ方

花茶

  1. 耐熱ガラスのポットと、花茶を用意してください。陶器製ポットでも構いませんが、見た目の観賞も花茶の魅力ですので、中身の見えるガラス茶器がおすすめです。
  2. 余分な花びらを落とすため、軽く水かぬるま湯で水洗いしてください。
  3. ポットに花茶を2g程度入れます。慣れてきたらお好みの量に調節してください。
  4. 上から80度ほどのお湯をゆっくり注ぎます。
  5. 3分程度待ってから、お召しあがりください。3-4煎お楽しみいただけます。
  • 香りを引き立てるには、高めの温度(90℃以上)で入れてください。
  • 紅茶や烏龍茶に少量をトッピングしてブレンドティーとしてお楽しみいただくこともできます。

八宝茶の入れ方

八宝茶

  1. 茶器(小さめの200ccくらいのポット又は蓋碗やカップ)と八宝茶1袋を用意します。
  2. 茶器に沸騰したお湯を入れ、茶器を温めます。茶器を温めますと茶葉や具の味が出やすくなります。茶器が温まったらお湯を捨てます。
  3. 龍眼は殻を割って、中の実だけを取り出します。
  4. 温まった茶器の中に八宝茶を入れます。氷砂糖と茶葉の量はお好みで調整してください。
  5. 沸騰した熱湯を注ぎます。
  6. 3分程度待ってから、お召しあがりください。2-3煎お楽しみいただけます。
  • 茶葉を取り除くと、カフェインレスになります。(厳密にはゼロではありませんが、ほぼノンカフェインです。)
  • なつめ、クコ、干し葡萄、龍眼等は、お好みでそのままお召しあがりいただけます。

苦丁茶(一葉茶)の入れ方

苦丁茶

  1. 茶器(急須やガラスポット、耐熱グラス)と苦丁茶を用意します。
  2. 茶器の中に苦丁茶を1本か2本だけ入れます。
  3. 沸騰させた熱湯を注ぎます。
  4. お湯を注いでから3分程度待って、茶葉が開いてからお召しあがりください。
  5. 3-4煎お召しあがりいただけます。
  • 苦丁茶は、やかんや鍋などで煮出していただくこともできます。
  • 煎を重ねた後の烏龍茶などに、隠し味で1、2本入れるのもおすすめです。